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「エアガイツ勢(ぜい)」とは、1998年にスクウェア(現スクウェア・エニックス)から発売、ナムコ(現バンダイナムコエンターテインメント)が開発を手掛けた3D対戦格闘ゲーム『エアガイツ(Ehrgeiz)』を、四半世紀以上が経過した現在でも熱狂的に愛し、研究し、プレイし続けているプレイヤー層(コミュニティ)のことです。
格闘ゲーム界隈において「〇〇勢(ストリートファイター勢、ギルティギア勢など)」という言葉は、特定のタイトルに定着している熱心なプレイヤーたちを指す総称として広く使われています。その中でも「エアガイツ勢」は、ゲーム自体の歴史的経緯やコミュニティの発展の仕方が極めて特殊であり、格ゲー界の生きた伝説、あるいは一種の奇跡のコミュニティとして独特な存在感を放っています。
なぜ、一見すると「過去のレトロゲーム」に過ぎない作品にこれほどの情熱が注がれ、現代でも注目を集めているのか、その理由について詳細に解説します。
1. 25年以上の時を経て「世界大会」が開催される奇跡のコミュニティ
『エアガイツ』はリリース当時、360度自由にステージを走り回れる革新的なインターフェースや、当時社会現象となっていた『ファイナルファンタジーVII』からクラウドやティファ、セフィロスといった人気キャラクターがゲスト参戦したことで大きな話題を呼びました。しかし、純粋な対戦格闘ゲームとしては、当時の『鉄拳』や『バーチャファイター』といった大ヒット作の影に隠れ、ややマイナーな扱い(いわゆるB級ゲーム、お祭りゲーム)として扱われることが少なくありませんでした。
しかし、時代が平成から令和へと移り変わる中で、東京の高田馬場や池袋に店舗を構えるゲームセンター「ゲーセンミカド」を中心としたレトロゲーム再評価の動きにより、状況は一変します。一部のコアなプレイヤーたちが格闘ゲームとしての奥深さに再注目し、定期的な大会が開催されるようになりました。
この熱量は衰えるどころか年々加速し、2010年代後半から2020年代にかけては、まさかの「世界大会」が何度も開催されるという驚異的な盛り上がりを見せるに至りました。かつて見向きもしなかった一般の格ゲーファンやネットユーザーたちが、その異様な熱気に圧倒され、彼らを畏敬の念を込めて「エアガイツ勢」と呼ぶようになったのです。
2. 「エアガイツ仮面」という強烈なアイコンとエンタメ精神
エアガイツ勢を語る上で絶対に外せないのが、「エアガイツ仮面」と呼ばれる謎の覆面プレイヤーたちの存在です。彼らは文字通り、顔を隠した覆面姿でゲームセンターの大会や配信映像に現れ、コミュニティの広告塔として圧倒的なインパクトを放体続けています。
元々はコミュニティを盛り上げるための悪ノリやパフォーマンスとして始まった側面もありましたが、現在では「東のエアガイツ仮面」「西のエアガイツ仮面」といったように複数のバリエーションが存在し、それぞれが非常に高いゲームスキルを持っています。彼らは単にゲームが強いだけでなく、マイクパフォーマンスやSNSでの発信、新規プレイヤーへのアプローチなど、コミュニティの存続と拡大のために心血を注んでいます。
このユニークかつどこかシュールなプロレス的文化こそが、エアガイツ勢がネット上でネタにされ、同時に多くのゲーマーから愛される大きな理由となっています。彼らの徹底したエンタメ精神が、排他的になりがちなレトロゲームコミュニティを、誰もが笑顔になれるオープンな場所へと変貌させたのです。
3. 2Dと3Dが融合した超絶マニアックなゲーム性と情熱
エアガイツ勢がこれほどまでに1つのタイトルに執着できるのは、ゲームそのものが持つ「底知れない奥深さ」があるからです。一見すると大雑把なシステムに見える『エアガイツ』ですが、格闘ゲームとして突き詰めると、現代の最新格ゲーにも劣らない非常にシビアで高度な駆け引きが要求されます。
例えば、特定の技を最速かつ正確なタイミングで入力することで性能が変化する「ジャストフレーム技」の存在や、相手の強力な武器攻撃をタイミングよく無効化して奪い取る「真剣白刃取り」、ステージの段差や障害物を利用した空間認識能力など、プレイヤーの純粋な技術介入度が非常に高い設計になっています。
エアガイツ勢は、発売から四半世紀以上が経過した今でも、誰も知らないような新しい連続技(コンボ)の発見、システムの穴を突いたバグの応用、そして極悪な「ハメ技」の対策などを日々研究し続けています。「もうこれ以上新しい発見はないだろう」と思われた翌年に、勢力を塗り替えるような新戦術が開発されることも珍しくありません。この飽くなき探究心と、対戦に対するガチの情熱こそが、エアガイツ勢の真骨頂です。
まとめ
まとめると……
ネットやSNS、格闘ゲームの配信などで「エアガイツ勢」という言葉を見かけた場合、それは「多くの人が過去のものとして忘れてしまったレトロ格ゲーを、今なお現役で愛し、世界大会を開くほどの狂気的な情熱と技術で遊び続けている、最高に尖ったゲーマーたち」へのリスペクト、あるいはその界隈そのものを指しています。
彼らの戦いは現在も続いており、ゲームセンターでの大会配信などを通じてその熱気を体感することができます。実際の大会で見られる、一瞬の隙も許さない超絶プレイと、実況・解説・観客が一体となった異様な盛り上がりを見れば、なぜ彼らがそこまでこのゲームに魅了され、狂わされているのか、その理由が深く理解できるはずです。

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